前回は、目の使い方について、右脳優位の状態であるアンダーフォーカスと左脳優位の状態であるオーバーフォーカスの状態についてご紹介しました。
今回は、さらに、目の使い方とストレス反応、センタリングについてお話しします。
前回も書きましたが、私は目の使い方に関して、オーバーフォーカスになりがちなところがあります。
オーバーフォーカスの時、目は見開かれ、限定的な箇所をじっと凝視している状態です。
なぜそのようになってしまうのでしょうか?
そこには、ストレスやトラウマ反応が現れていることがわかりました。
人間はストレスを感じると、筋肉を硬直させ、息を止め、危険がないか注意深く辺りを観察するサバイバルモードに入ります。
そのストレスを感じる度合いは人によって大きく異なり、もともとストレスの多い環境で育ったり、何かトラウマを受けたことから警戒心が過剰になるパターンを持っていると、ちょっとした環境の変化でもサバイバルモードが活性化してしまいます。
それが慢性的な反応になっていると、いつの間にか目の周りの筋肉も固まり、目の使い方も、見える世界を楽しむことより、危険がないか観察することが目標になってしまいます。
それだけでなく、首や肩の筋肉の硬直、目の使い方の左右差等、からだに構造的なアンバランスがあったり、前庭器官(平衡感覚)が十分に機能していないと、頭を動かすことによって全体のバランスを崩しやすくなって、サバイバルモードが活性化してしまう、ということが起こります。
いずれにしても、危険を感じると、脳幹で必要な情報のみを取り込む機能が働かず、見たもの・聞いたものすべてを脳に取り込んで圧倒されるようになってしまいます。
そうなると、見える世界を楽しみ、その中から必要なものを取り込んで、解釈して、形にして行動するということが難しくなってしまいます。
そこで、五感で感じたものに圧倒されず、色々なものを見ても影響されにくくなるためのセンタリングの力が大切になります。
この、センタリングのためのビジョントレーニングでは、目の周りの筋肉をほぐすこと、具体的には、硬直して短くなった筋肉を伸ばす、ということをしました。
凝った筋肉をもみほぐすとリラックスしますが、それは、目の周りの筋肉も同じなのですね。
センタリングのトレーニングでは、「予期せぬことが起きても適切な行動をとる」という目標を立てたのですが、目の周りの筋肉をほぐして、目を動かしやすくするだけで、見たものに影響を受けることが少なくなり、気持ちが堂々とするようになった変化を感じました。
目をリラックスすることがセンタリングにつながる、ということが不思議に感じたため先生に聞いてみたところ、目はストレス反応が最初に現れる箇所である、というお話をしてくださいました。
ふだん無意識に使っている目の使い方がそんなに私たちの本質的なパターンに関わっているのだとしたら、目を大事にする、目の使い方に意識的になる、ということが、いかに大切なのかということになりますね。
オーラソーマの18番(イエロー/バイオレット)/96番(ロイヤルブルー/ロイヤルブルー)に関するマイクのお話でも、「見ている時、聞いている時、その情報と適切な距離を取れていますか、ゴールド=自分の中心から感じていますか?」というメッセージがありました。
目で見ているのではなく、耳で聞いているのではなく、五感で感じたものの解釈は脳で行われ、それが現実だと解釈されています。
だから、感覚器官をリラックスさせること、平和な感覚を取り戻すことで、現実の感じ方が変わって、そのうち現れる現実が変わってくるのだと五感の大切さ、原点を強く感じました。
目を大事にして、もっと世界を楽しむために使っていきたいですね。