昨日、Metamorphic Techniqueのオンライン勉強会がありました。
年に何度か開催される勉強会、通常は英語圏のプラクティショナーの参加が多いのですが、昨日はブルガリア語通訳の入った初めての勉強会でした。
最近ティーチャーになったブルガリア人ティーチャーが本国で精力的に活動されているようで、昨年だけでたくさんの方がMetamorphic Techniqueを勉強されたそうです。
Metamorphic Techniqueがテーマとする人生と変容は国を関係なく様々な方を魅了するものなのだな、と改めて感じました。
そして、昨日は新しい生徒さんが参加されたということもあり、また、通訳が入るため話の流れがゆっくりだったこともあり、私にとっては基本的な内容をじっくり復習できるよい機会になりました。
今日はその内容を振り返りつつお話しします。
Metamorphic Techniqueの語源となっているMetamorphosisは「変容」という意味があることから、Metamorphic Techniqueに興味を持たれる方は人生を変えたい、という願望をたとえご自分では意識していなくても持っていらっしゃることが多いそうです。
私も初めてワークショップに出た時は、長らく硬直していた自分の人生をどうにかしたいと思っていました。
しかしその時出会ったティーチャーの方に、このセッションによって変容できるというわけではありませんよ、と初めに言われたことを強く覚えています。
考えてみれば、1時間あまりのセッションを受けるだけで人生が変容できるなんて、そんな虫のよい話はないだろうと思うのですが、それぐらい人生をどうにかしたいと思っている人の渇望感は大きいということです。
今回の勉強会でも、セッションによって人生が変容した例を聞かせてください、というシンプルな質問がありました。
この答えとして、こういう例がありますよ、というお話をお伝えすることは正しい答えではなく、実際のところはセッションを受けたからそうなった、とは言えないということを再確認しました。
ではMetamorphic Techniqueのセッションとはどんなものなのか、変容が起きるとしたらどういう要素があるからなのか、ということについて再確認をしました。
まず、このセッションを行うプラクティショナーのあり方として絶対大事だとされていることは、Detachment(距離を置いて見る)ということです。
目の前のクライアントさんがどんなに変容を望んでいても、どんなに大きな問題を抱えていても、そのことを意識はしても深入りしない、どうにかしようとしない、よくなるように誘導しない、という姿勢が求められます。
ここが、通常のヒーリングやセラピーとは根本的な違いであり、通常はクライアントさんが抱えている精神的・肉体的問題に対して、改善を目的にメニューを考え、施術を行い、時にはアドバイスなどもお伝えするものかと思います。
問題はよくないものとして、病気の方・元気のない方にはよくなってほしいと思うものです。
けれども、Metamorphic Techniqueでは、その問題=事実が存在することに気づきはしても、改善しようという動機付けはせず、どんな方がいらっしゃっても同じようなセッションを行います。
そこには、クライアントさん自身が人生をより良い方向へと導くための力・生命力・叡智を既に持っていらっしゃる、という絶対的な信頼があります。
プラクティショナーが事実に気付いてもそのままにする、というDetachmentのあり方を徹底することで、クライアントさんの持つ生命力が最大限に活性化する可能性が生まれます。
生命力が最大限に活性した時何が起こり得るか、というと単に問題が消失する、改善する、ということ以上に、クライアントさんですら思ってもいなかったこと(しかしご本人の潜在意識ではそれが正しいことだとわかっていたこと)が起き、その時その方の人生が変容したように見えるということだそうです。
このように、Metamorphic Techniqueでは、セッションを受ける方が本来持っている力を大切に考えています。
どんな方にも生まれ持った叡智があって内なる権威があって、人生で何が起きていてもその中でより良い方向へ向かっていくだけの力を持っています。
そんな内なる権威を大切にするより、私たちは外の権威に従うような教育を受けてきたために、正しい答えを外から得ようとしてしまい、誰かに何かをしてもらわないと自分には力がないと思ってしまいがちです。
そうではない、という一人一人の方を勇気づけるような考え方がMetamorphic Techniqueの根底にあるのだということを再確認した勉強会でした。
今回の学びで印象的だったのは気づくこと、感じることの大切さです。
気づくこと、とはクライアントさんの状態に対しても、セッションを行うプラクティショナーの内面に対しても、あらゆることに対して気づくことが重要と言うお話でした。
気づくことによって変容の可能性が生じるということ、それは気づくという人間の脳の持つ力だと思います。
感じること、というのは、内なる権威を大事にするには、思考ではなく自分の感覚に忠実になることが大事だということで、それは何に対しても、YesなのかNoなのかI don't knowなのかという答えを自分なりに出すことが大事だというお話でした。
わからないのであれば待てばよい、時期が来たらYesかNoかわかるときが来ることもある、ということです。わからないことですらその事実を受け止め、信頼すれば、それに対する答えをむやみに外に求める必要はないとのことでした。
最後に、今日の記事のまとめとしたいのは、このMetamorphic Techniqueでの気づくこと、感じることが大事、という内容は、ブレインジムでも同じことが言えるということです。
ブレインジムでもセッションの間クライアントさんご自身の気づきを大事にします。
気づいた(感じた)内容がご自身にとって受け入れがたいことであっても、気づきがあればあるほど、バランス調整によってその状態が変わる可能性があります。
ブレインジムのバランス調整で行うエクササイズは信じられないほどシンプルなものが多いのですが、どうしてそれが有効なのかというと、その前に気づくというプロセスを経ているからなのです。
気づきがないまま複雑なことを一生懸命行っても、それは本質的な変化にはつながらないのだと思います。
本質はシンプルな中に隠されている、というのが今回の一番の気づきです。
気づくこと・感じることがどんなに小さなことであっても、そこから何かが変わるかもしれないということをMetamorphic Techniqueやブレインジムのセッションを通してお伝えできたらと思っています。