先週末、Metamorphic Techniqueのオンラインミーティングが開催されました。
年に数回開催されるこのミーティングでは、毎回参加者が事前に出した議題に対してメンバーの活発な議論が交わされます。
これまではMetamorphic Techniqueの難解と思われる理論についての確認内容が多い印象でしたが、今回はプラクティショナーとしてどう宣伝し、実践しているか、既にプラクティショナーとして活動している人への質問が中心となりました。
この質問は多かれ少なかれ毎回のミーティングで出てくるものです。イギリスで発祥し、既に協会が設立されて40年以上経った今もどうして同じ質問が出てくるのでしょうか。
それは、Metamorphic Techniqueが何らかの不調やお悩みを改善するためのセラピーではない、という考え方からです。
代替療法が盛んなイギリスでは、不調があった際の選択肢としてリフレクソロジーなどのセラピーを取り入れる人が、日本よりも多いです。
それは、セラピストとして資格を取り、活動するための要件が日本よりも厳しいため、医療と同等に近いものとして、代替療法が信頼されているからだと思います。
Metamorphic Techniqueでは、リフレクソロジーの反射区の考え方が取り入れられていることから、リフレクソロジーなどの代替療法を専門とするセラピストが興味を持つことが入口となることが多く、私自身もイギリスでリフレクソロジーを勉強していたときにMetamorphic Techniqueを知りました。
足にタッチする、という手技そのものは、リフレクソロジーと似ているように見えますが、実際はカウンセリングや問診に基づく施術ではありません。
では何を目的としているのか、と説明するときに、答えに窮してしまうのです。
Metamorphic Techniqueの代表的なキーワードとして、「変容」がありますが、Metamorphic Techniqueのセッションを受ければ変容できると断言するものでもありません。
何も約束ができないものをどうアピールするのか、難しいわけです。
現在プラクティショナーとして活動している先輩方のお話をまとめると、リフレクソロジーなどのメニューを受けに来られたお客様で興味を持った方にセッションを行っている、という形が多かったですが、興味深かったのは、一度Metamorphic Techniqueを受けた方は、他のメニューに戻らなくなる方が一定数いらっしゃるということでした。
つまり、元々は何らかのお悩みがあってセラピーを受けに来られた方が、Metamorphic Techniqueのセッションを受けたところ、言葉を超えた部分でその良さに気づかれることが多いということです。
確かに、リフレクソロジーなどの代替療法が何らかの不調改善を目的としていても、一定回数通わなければ効果は出にくいし、たとえ通ったとしてもその効果が目に見えるものなのか、通わなくなっても持続するものなのか、と聞かれると現実的には厳しいのではないかと私は思っています。
一方でMetamorphic Techniqueは悩みや不調を明確にすることもなく、何かを良くするという動機付けもありませんが、受けた方本人の生命力に働きかける、という特徴があります。
どんな不調もその発端は表面化していない長年の精神的・感情的な何かに起因していて、その起源がもしかしたら生まれる前にあったかもしれないと考えると、表面的な対処療法ではどうにもならないことだとわかります。
Metamorphic Techniqueで長年代表的な立場にいらっしゃるMさんが、あらゆるセラピーを試して現在はMetamorphic Technique一筋だとお話しされているのも、その圧倒的な影響力の大きさに目を奪われる機会が多数あったからだと思われます。
というわけで、Metamorphic Techniqueは説明が難しいものではありますが、だからと言って説明を理解しなければ良さがわからないというものではなく、セッションの良さに気づいてくださる方が増えることを信じてこれからも活動していこうという流れになりました。
今回私自身はこのミーティングで何を議題として提案していたかというと、Metamorphic Techniqueの原点である生まれる前のパターン(prenatal pattern)がどうして生まれるのか、についてでした。
このテーマは既に何度も説明されていることで、受胎時から始まり、胎内、そして誕生時の記憶や経験によって形成されるものであり、実際ブレインジムの観点で原始反射を学んでみても胎内にいる間に成長著しい脳の発達とも関係がありそうだと感じていました。
でも、そのことを知れば知るほど、この期間に何かあって大きなトラウマを負ったことにより思考や感情、からだの弱さなどのパターンが固定化されてしまった場合、そしてそのパターンによって人生で苦労することになった場合、パターンはネガティブなものとしてどうにかして直さなければ、なくさなければいけないと考えてしまいがちだと思うのです。
ともすればセッションを受ける目的がパターンから解放されて変容したい、ということになってしまいます。
そしてMetamorphic Techniqueやこの問題を扱う他のセラピーを受けなければパターンに苦しむ人は救いようがないということになってしまいます。
今回ミーティングでMさんの考え方を聞いたことで、パターンはネガティブなものではない、というポジティブな見方になったので、Mさんがお話しされたことをまとめてみます。
私たちは受胎時に大きなエネルギーを携えて物質界に宿り、そのエネルギーによって受精卵が細胞分裂を繰り返し、肉体や意識が作られ誕生する。
その肉体化・物質化するための膨大なエネルギーは地球の物質世界の周波数とは異なるため、受精卵に宿った時に、大きな抵抗が生まれる。
家系的に引き継いだ制限された固定観念や胎内で母親が感じた感情も抵抗の原因となる。
そのため何らかのパターンが生まれることは避けられないが、私たちが本来大きな創造の力を持って生まれたこと、生きている限りその力は健在で、私たちは今も創造し続けていることを思い出させてくれるきっかけがパターンの存在に気づくときではないかと思いました。
だから、もし人生の中で何か不自由を感じたりうまくいかないことがあっていつも同じパターンを繰り返していることに気づいて、どうしようもないと絶望したとしても、それだけ大きな力を持っているからこその抵抗による不快感であり、いつでも私たちはその力で新しいパターンを創造する
ことができるとポジティブに考えればよいのだと明るい気持ちになりました。
私たちがその力の存在を心から信じることができた時、人生はいつだって創造できること、求めるものは引き寄せられることが、当たり前のように展開していくのだと思います。
繰り返しにはなりますが、Metamorphic Techniqueのセッションは目指すものを引き寄せる、というものではありません。
自分が目指していると思っているもの自体が、本当に求めているものかどうかもわかりません。
不調なものが良くなれば物事が解決するのかもわかりません。それも含めて自分の叡智に委ねる、といったことになるのでしょう。
そして期待していたものがあればあるほど、セッションを受けた後、何も起こらなかったと感じることになるのかもしれません。
でも、何かを得ないといけない、目的を達成しなければいけない、現状を変えなければいけない、という考え方は、一定の思考に縛られた考え方であり、もっと違う考え方があるかもしれないと信じてみたい方にお勧めできると思いました。
また、妊娠中や出産後の女性に、これからもお勧めする活動をしていきたいと改めて思いました。