顎関節症について改めて考える

先週定期的に通っている整体の先生に診ていただいたところ、左の首がかちかちで、右の顎が固まっていると言われました。

 

家でエクササイズをする際は、口を大きく開けるようにと提案していただきました。あれ、これって以前も同じことを言われたような・・・、その時も同じような記事を書いていたことを思い出しました。

 

そして、その時も今回も、何となく精神的に停滞して逡巡している時だったことに気付きました。

 

整体を受ける前の数日間、食事をしながら口の中の壁を噛んでしまう現象が起きていて、その時は顔の筋肉がこわばっている気がして自分でフェイシャルマッサージをしていました。

 

が、整体の先生とお話しながら、これは顎関節症だったのだと思いました。

 

私が顎関節症のことを初めて指摘されたのは、10年以上前、フェイシャルリフレクソロジーの授業で練習していた時のことです。それまで自覚症状は全くなかったのですが、顎回りの筋肉がかちかちだと言われたのです。

 

そこで今日は、改めて顔の筋肉のこわばり、顎関節症をテーマに感情的問題と絡めて綴っていきたいと思います。

 

まずは、フェイシャルリフレクソロジーのことを思い出してみます。

 

私が習ったフェイシャルリフレクソロジーはデンマーク人のロネ先生が考案されたもので、顔にある経絡のツボや反射ゾーンを刺激することによって全身の健康に働きかける手法です。

 

東洋医学やネイティブインディアンの叡智、西洋医学での脳の知識を基に作られていて、私にとってこれを学んだことがセラピーの勉強をする第一歩となりました。

 

その頃は、セラピーとは何であるかはよく知らず、ただ顔を刺激してもらうことがこんなに気持ちがよいものか、とはまる一方でした。

 

けれどもからだに大きな影響を及ぼしていることは明らかで、好転反応として口の周りにヘルペスが何度も出るなど不思議な現象も起きました。

 

日本では顔のトリートメントというと、美容的な側面が大きいと思います。けれども、ロネ先生の出身地デンマークではリフレクソロジーが代替医療として浸透しており、ロネ先生は脳に何らかの障がいがあるお子さんに施術を行われていたお話が印象的でした。

 

また、顔への刺激は脳への刺激であって、脳は必要な刺激を受け取って実行するようなコンピューターのようなものであるから、足への施術とは違って禁忌がない(足のリフレクソロジーの場合は、心臓や腎臓の疾患がある方には行えないため)、とお話されていたことも印象的でした。

 

けれどもその頃私にとって脳の障がいということは身近な問題ではなかったため、他のセラピーを知るにつれ、ロネ先生のリフレクソロジーからは次第に離れていきました。

 

その後自分が実生活で困難に直面してブレインジムを勉強するようになって以来、ロネ先生が目指されていたことが次第にわかるようになってきました。

 

そして、ロネ先生がおっしゃっていた、「病気の根本原因は感情的問題である」ということが腑に落ちるようになりました。

 

今回のテーマである顔の筋肉のこわばりや顎関節症について考えてみると、顔の筋肉(全身の筋肉も)にはそれぞれ対応する経絡があり、その経絡には対応する感情があります。

 

例えば顎関節に関係する頬筋は胃経に関係し、胃経は感情やストレスがダイレクトに影響する経絡です。

 

 

 

 

そういえば、フェイシャルリフレクソロジーの施術中に、気持ちよく眠っていらっしゃる方の口元がぱくぱくと開け閉めする現象が起きることがありました。

 

私も見ていて不思議に思っていたところ、同じ疑問をロネ先生に質問した方がいらっしゃって、ふだん口回りに押し込められている緊張がリラックスすることで解放されて、口元が動くことがあるそうです。

 

顔の下の部分(顎回り)は脳の中でも無意識の部分に対応し、さらにからだで言うと下半身に対応する、という考え方から、無意識の中に閉じ込められていて感じることのできないような強い感情、無意識による抑制的な行動パターンの影響が現れやすい、と考えることができます。

 

では、ここから顎関節症について、私が行っている①ブレインジムと②クラニオセイクラルセラピーの観点からさらに紐解いていきます。

 

 

  

 

①ブレインジム

 

顎関節症は、頭蓋の動き、脳脊髄液の流れに関係し、顎の動きは、呼吸と共にからだが収縮する一定のリズムに結び付いています。

 

恐怖など強い感情が起きると、息を止めがちになります。頭蓋とそれにつながる脊椎、仙骨の動きが固まってしまい、自分自身のリズムも乱れてしまいます。

 

からだの動きが滞ると、自然な感情表現、自己表現にも影響を及ぼしてしまいます。

 

口は感情を表し、表現する部位であることからも、顎回りの緊張は、特に言語表現、表現の抑圧に結びついている感情パターンに関係している可能性があります。

 

また、頭蓋の動きは脳と全身をつなぐ中枢神経にも関係しているため、全身の動きが協調していない、というからだの構造的な問題を示唆していることもあります。

 

②クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)

 

私が習ったクラニオセイクラルセラピーでは、頭蓋と仙骨の動き、脳脊髄液の流れを、主に感覚器官や顔周りの機能に関係する12種類の脳神経の観点から調整します。

 

今日のテーマ顎関節症に関わる脳神経を二つ挙げてみます。

 

・顔面神経:顔の表情を作るための筋肉を制御する

 

顔面神経に対応するオーラソーマのボトルのメッセージから、感情的なショックや強いストレスによって、顎関節症や食いしばりが発生することがわかります。

 

・三叉神経:顔の感覚、噛むことを司る

 

噛むことは食べ物を消化することだけでなく、感情や人生での経験も咀嚼することに関係します。様々なことを咀嚼して消化できないと、自分の中でいっぱいいっぱいになって動けなくなってしまいます。

 

 

 

  

このように、顎は食べるために重要な部分で、食べることは生きることでもあるので、生きていく上で生じる強い感情ストレス、中でも行動することに関係する無意識的な感情に影響を受けている可能性がありそうです。

 

無意識の世界は自分でも探ることが難しいため、この部分に光を当てないと、なかなか行動パターンを変えることも難しいということになりがちです。 

 

まずは日常的に、口を大きく動かす、よく噛む、笑う、歌うなど意識をしていけばよいのではないかと思います。

 

そして、何か新しい行動をしてみたい、もっと人生を楽しみたいと思うけれど何かがひっかかる時には、もう少し踏み込んでご自身の顎や口回りに意識を向けてみることをおすすめします。