今年の8月にブレインジムの創始者ポールさんの奥さま、ゲールさん主催のオンライン講座「Vitalizing our Nature Connection An Integrated Movements Play shop」(「統合された動き」によって自然とのつながりを強化するプレイショップ)で、陰陽五行の各経絡に対応する動きをより自然界に近い形で体験し、学び直す機会がありました。
この頃仕事が忙しかった私は、講座に出てリフレッシュするとともに、新しく理解した動きを仕事の後のクールダウンとして取り入れるようになりました。
エクササイズとして行うのではなく、感じながらからだを動かすのがポイントです。
同時に、講座でゲールさんがおっしゃっていた中で印象的だった、「金」の行について繰り返し考えるようになりました。
以下のブログの中で、「金」の行について私はこんな風に書きました。
「金とは自然界でいえば、金属や鉱物を指します。硬いものであることから、形を作ること、また、比喩的にお金や肉体というような意味もあり、自分が生きていくための基盤となるような確固としたものを指します。
そのことから、『自分』とは何か、に強調が置かれ、自分の価値を尊重すること、時間の管理と自己管理、さらに、自分と他人との境界線を作ること、自分にイエスと言い、他人にノーと言うための強さにも関係します。
ただ、闇雲に強くなればよいわけではなく、他人との関係の中で未知の流れに身を任せられる柔軟な強さも指しています。」
ゲールさんは「金」とは硬く強いものであり、自分自身の確固たる強さに関係する、としながらも、ただ強いだけではなく、柔軟さも大事だとおっしゃっていました。
私はそのことは理解したつもりでしたが、今思うと「強さ」により重点を置いて、「柔軟さ」については腑に落ちていなかったように思います。
というのは、私自身がその後「金」に関係するセラピーを考案し、実践し、自己価値の大切さについて意識を深めていった結果、前回のブログでお伝えした、転職活動をしていく流れにつながったからです。
その頃は、自分の価値を考えた時、ずっと抱えてきた「派遣社員のまま働いていてよいのか」という疑問が湧いてきて、他の雇用形態へチャレンジしたいと思いました。
もしそのまま転職活動に成功していたら、「金」の行について考え、自己価値を高めた結果、よりよい条件の仕事に就けました、とご報告していたかもしれません。
けれども、そうではない結果になって思ったのは、自分の価値を市場価値に限定せず、唯一無二の価値ととらえる考え方もあるかもしれない、ということです。
これまで私が長年持ち続けてきた自分の価値は「頑張ること」でした。真面目に頑張るのが取り柄だったら、頑張りを世の中で評価されたいと思うのは自然な考え方かもしれません。
でも、私はこれからの人生を頑張るだけではなく、水の流れのようにもっと安らかに流れるように生きていきたいと思うようになった時、頑張ることは自分の特徴ではあっても、大切にしていきたい価値ではないかもしれないと思いました。
「引き寄せの法則」では、何かを引き寄せるのは行動そのものではなく、引き寄せたいものを思い描いた後に思考と感情がいかにポジティブな方向を向いているかという点が大事なのだと説いています。
ポジティブな思考と感情とは、言い換えれば、心から満たされた至福の状態であり、お金を稼ぐために歯を食いしばって頑張ることとは逆の状態です。
そこで、改めて「金」の行について考えてみると、「強さ」とは、確かに社会的な地位や権威を指すこともありますが、これからの時代や生き方を考えた時、一人一人が「自分自身でいる強さ」という風に言えるのではないかと思いました。
ゲールさんの言葉を借りれば「他人との関係の中で未知の流れに身を任せられる柔軟な強さ」であり、大腸経のキーワードである「手放す」「流れに身を任せる」ということになるのだと思います。
以前フェイシャルリフレクソロジーをロンドンで学んだ際、「コロンリンク」という大腸に特化した施術に関連して先生が、印象深いクライアントさんの話をしてくださったことを思い出します。
ある時ロンドンの金融街で活躍していたビジネスマンが、体調が悪いとセッションを受けに来られました。生活習慣を聞いてみたところ、朝トイレに行く時間もないほど忙しい生活を送っていたそうです。
セッションを続ける中で、この方は自分自身の生活を省みるようになり、最終的にその仕事を辞められて暖かい地方に移住されたそうです。そこから、大腸を整えることがいかに大切か、というお話になりました。
「金」の行が弱っていると、社会で活躍したり十分な収入を得ることが難しくなりますが、過剰すぎても必要以上の強さを求めて奮闘する、という形になるのだと思います。
このように陰陽の世界では、陰と陽のバランスを取ることが大事だとされており「金」の行でいえば、陰=肺経と陽=大腸経の一方だけが過剰にならないようにするということになります。
しなやかな強さを持つことができた時、バランスの取れた「金」の状態と言えるのではないかと思います。
ゲールさんの講座では、からだを動かしながら、各経絡に対応するアファメーションを唱えることを大事にしていました。
最後に、大腸経のテーマ「手放す」に関するアファメーションをご紹介したいと思います。
「私はいつも喜んで過去を手放します。そうすることで新しい変化を呼び込めるように」
「自分が今持っているものに価値を感じ、適切に使うことができます」
「柔軟に人生の流れに身を任せることができます」
皆さまも、リラックスして楽しみながら世の豊かさを引き寄せることができますように。