病気が伝えるメッセージ~ハートから自分を生きる~

乳がんの手術を控え、The Metamorphic Technique -Principles and Practice- (Gaston Saint-Pierre, Debbie Shapiro著)の本を読み返しています。

 

今回西洋医学による治療を受けることを、私の中ではMetamorphic Techniqueと関連付けてとらえています。

 

もちろん、患部に治療を施すことで、その部分の治癒を目指しているわけですが、それだけでは問題の根本的解決にはならないことを実体験から感じています。

 

この本を買い求めたのは、もう10年近く前、Metamorphic Techniqueのプラクティショナーを目指す前のことで、そのシンプルかつ深淵な考え方に魅了されました。

 

その後、プラクティショナーを目指す頃になって再読し、理論的に理解を深めました。

 

今回自分が病気になって読み返すことで、この本が言わんとしていることをより身近に感じるようになりました。そして、この考えを基に、私は治療を受けるのだと改めて思っています。

 

本の中で興味深いと思ったのは、人生の中で起きる困難なことは受精から誕生までの間に経験した影響の現実化であるという考え方です。

 

私たちは受精した時から既に家系や社会的背景など多くの影響を受けています。

 

この世に誕生する前の純粋なエネルギーの状態を川の流れに例えると、これらの影響分子は川に投げ込まれた小石のようなものと考えられ、その時川の流れに変化が起きます。

 

エネルギーが妨げられたその時の状況を私たちは細胞レベルで記憶の中に留めていて、その後の人生に影響を及ぼし続けます。

 

初めはたった一つの小石でも、同じところに石が蓄積されることにより岩となり、ついには川がせき止められる可能性があります。

 

そのようにしてエネルギー的な滞りが現実レベルで顕在化するとき、私たちは困難な状況を経験したり、肉体的な病に陥ります。

 

本の中に、中年になって重い病気にかかった人の例えがあります。

 

この人は、病に至る原因となるような何らかの影響を既に受精時に受けていた可能性があり、それが後年になって現実化したのが病気であると書かれています。

 

本には受精前、受精時、受精後22週まで、胎動が起きる頃、誕生前、誕生時のそれぞれの時期から、影響を受けやすい肉体面、精神面、感情面、行動面の特徴が書かれており、乳がんその他肺や心臓周りの病気のエネルギーパターンは受精後22週までに形成されるそうです。

 

受精後22週までの時期は肉体的成長に伴い自己意識も高まる時期で、自己を確立し自分を生きる強さを養う時期です。

 

この時期に何らかの弱さを生じるような外的影響を受けると、自尊心の低下や自己表現の難しさが現れ、精神的に混乱したり自己嫌悪や自虐的な傾向が生じやすいと書かれています。

 

けれども石の蓄積や岩の形成による困難な出来事は私たちを成長へと導き、人生の深い意味に気づいて人生を変容させ、拡大させるきっかけにもなります。

 

私たちの考え方次第で、この経験をポジティブにとらえることもできるのです。

 

Metamorphic Techniqueでは、このように一見ネガティブな現象も人生の初期から続くエネルギーの滞りが現実化しただけで、それを変容させる選択肢も生命力も各個人にあるのだという考え方を基に、セッションが行われます。

 

セッションでは、プラクティショナーは表面化した特定の症状に注目したり、改善させようという動機付けはしません。

 

セッションを受ける方の生命力が活性化し、ご自身にとって最善の方向へ導かれるよう、プラクティショナーは中立的な立場で脊椎の反射区にタッチを行います。

 

脊椎の反射区は、エネルギー的なパターンが最初に始まると考えられる胎児期を象徴しています。

 

また、Metamorphic Techniqueで考える最善の方向とは、必ずしも症状の改善、病気の治癒とは限りません。

 

なぜなら、症状が改善されてもその根本原因が存在する限り、肉体は別の形で必要なメッセージを送り続けるかもしれないからです。

 

Metamorphic Techniqueに惹かれ、セッションを受ける方は、セッションを受けようと思った時点で、変容を受け入れる準備ができているそうです。

 

そして、なぜ病気になったのか、何を伝えようとしているのか、それを理解したとき、治癒に向かっていくと考えられています。

 

そんな時、新たな治療法や偶然の出会いがあったりして、状況が変わっていくこともあるそうで、このようにMetamorphic Techniqueは受ける方の人生や生命力そのものに働きかけるものなのです。

 

これまでの経緯を振り返ってみると、私は今年になって治療を受けることを考え始めてから、少しずつ今まで起きなかったような変化を感じるようになりました。

 

実際に新たな治療法や医師との出会いもあり、それらの経験を1つ1つこなしていくうちに人生に方向性が見え、より大きな意味を感じられ、正しい方向へ進んでいると思えるようになっていきました。

 

変化・変容と聞くと大きなものを期待しがちですが、実際には見てすぐにわかるもの、というより内側からの微細な変化から始まるようです。

 

そうすることで、無理のないバランスの取れた方法で新しい変化に馴染んでいくことができるのだと思います。

 

今回Metamorphic Techniqueの本を読み直し、乳がんになったのは、人生の初期からのエネルギーパターンが現実化したもの、ととらえ、今こそそのエネルギーを変容してハートから自分を生きる機会にしていきたいと思っています。

 

同じような病を経験されている方に、この考え方がお役に立てば幸いです。

 

さらに、Metamorphic Techniqueにご興味がある方は、こちらのブログもご参照ください。