入院中にMetamorphic Techniqueの本を2冊読みました。最初に読んだ本についてはこちらにまとめました。
2冊目は、Metamorphic Technique創始者の故Gaston氏自らが執筆した"A Compendium of The Metamorphic Technique"です。
哲学的で随所にキリスト教の概念を散りばめた非常に難解な文章ですが、大きな病気を経験した今、Metamorphic Techniqueの原点について改めて
考えさせられる内容でした。
本日は、私がなぜMetamorphic Techniqueをライフワークにしているのか、本の最終章「The six stages of the prenatal pattern」(誕生前のパターンの6つのステージ)を読んで印象を受けた点についてシェアします。
誕生前に形成されるパターンは、受精前~誕生までの6つのステージから成り立ち、この時期には肉体の発達だけでなく、意識も発達すると考えられています。
1) 受精前のステージ
受精前のステージとは、魂が肉体に宿る前のステージであり、時間・空間・物質を超えたワンネスの世界です。
エネルギーレベルで意識(知性・思考)により、この世に肉体を持って誕生するための準備がなされます。
①エネルギーレベルで誕生を意図(概念化)し、エネルギーフィールドで具現化する。
具現化するものを椅子と例えると、以下のようになります。
[椅子を意図する(概念化)⇒椅子のデザインを考える(具現化)=エネルギーフィールドで椅子が創造される]
②受精するための要素がエネルギーレベルで準備される。
・時間・空間・物質に関係する要素:家系や人種、社会的影響を受けた遺伝子
・時間・空間に関係する要素:受精する場所や時間、惑星の配置、カルマ等による思考パターン
・時間・空間・物質を超えた要素:愛と光の中で変容を起こすための<知性と生命力>
受精前のステージを象徴するからだの部位は、松果体と下垂体です。
2) 受精のステージ
卵子と精子が出会うステージです。卵子と精子が受精卵として統合することで、プログラム(細胞分裂)が始まります。
受精卵の中に存在する<知性と生命力>は、細胞分裂だけでなく、人生を通してあらゆるものを創造するための基盤となり、命が続く限りその人を導いていきます。
このステージをエネルギー的に解釈すると、受精前のステージで準備した①の意図が、②の要素によって具現化するステージです。
物質界において、時間・空間・物質を超えた変容、創造が起きています。
3) 受精後のステージ
神経系や肺を中心にほぼすべての器官が形成され、肉体が著しく発達する時期です。肉体だけでなく意識も大きく成長します。
このステージで発達する意識は、気づきをもたらすための、求心的(内に向かう)・男性的な意識であり、自己意識に影響を及ぼします。
胎児の意識はいまだワンネスの世界にあって独立していないため、お母さんの感情だけでなく、受精前で準備された②の要素をベースとして、過去の記憶、思考パターン、エネルギーフィールドなど外の世界に影響を受けやすい時期です。
この時期に自己の感覚が十分に得られないと、後の人生で自己価値感や自尊心の欠如に苦しむことがあるかもしれません。
そして、他者との境界線を知り、自己を確立するために、後の人生で痛みを経験するような出来事が起きる可能性があります。
受精後のステージを象徴するからだの部位は、胸部と喉です。
4) 胎動のステージ:受精後18-22週
胎動の起こる頃、胎児は初めてお母さんとの一体感を離れ、自己と他者の違い(二元性の世界)を知ります。
このステージでは、意識がさらに拡大し、自分が気づいていることに気づく(客観的視点を持つ)ことができるようになります。
胎動のステージを象徴するからだの部位は、太陽神経叢です。
胎動前に発達する「求心的で男性的な意識(気づく)」と、胎動後に発達する「遠心的で女性的な意識(気づいたものに反応する)」をつなぐ役割があります。
5) 誕生前のステージ
誕生するための準備を行うステージです。骨格が形成され、肺で呼吸する準備が整い、免疫力が強化されます。
胎児は外の世界からの光や音に反応するようになります。そのため、このステージで発達する意識は、気づいたものに反応するための、遠心的(外に向かう)・女性的な意識であり、社会の中での自己意識に影響を及ぼします。
人生の中で、人間関係を築き、行動する=自己実現をするための基礎となります。
誕生前のステージを象徴するからだの部位は、太陽神経叢から仙骨までと、骨盤です。
6) 誕生のステージ
1)の受精前のステージで人間としての誕生が意図され、2)の受精のステージ以降、誕生するための準備が行われてきました。
最後に、肉体と精神が統合された状態で、胎児にとって初めての行動=誕生が行われます。
このときの誕生の仕方(スムーズであったか、どんな感情を抱いて生まれたか)が、人生で行動するときのパターンに反映されます。
ここからは、Metamorphic Techniqueが何を目指しているか、私なりの解釈をまとめます。
誕生までの6つのステージの中でポイントとなるのは3)の受精後のステージから5)の誕生前のステージだと思います。
最終的に誕生前に、3)のステージで発達する「求心的で男性的な意識(気づく)」と、5)のステージで発達する「遠心的で女性的な意識(気づいたものに反応する)」がバランスよく統合されることが理想とされています。
両者がバランスよく統合された世界とは、1)の受精前のステージで経験したワンネスの世界が、現実社会(自己と多数の他者)の中で実現している世界であり、4)の胎動のステージで象徴される、自己と他者が分離し、善悪が対立する二元性の世界を超えています。
二元性の世界では、何かを実現するためには努力に基づく行動が必要となり、無意識レベルでのパターン=過去の出来事への反応が繰り返されています。
無意識レベルでのパターンは受精~誕生時の経験によって決定され、さらに、人生の中で、各ステージに対応する時期(受精後のステージ:新生児期、胎動のステージ:青年期、誕生前のステージ:成人期)での経験によって強化されます。
二元性の世界で生きる私たちの多くは、このパターンを持ち続けているため、何かを実現するために行動することが難しくなったり、行動しても限界を感じる時が来るのだと思います。
また、5)の誕生前のステージで培う意識は、「遠心的で女性的な意識(気づいたものに反応する)」ですが、「反応」とは、過去の出来事への反応ではなく、手放すことであり、それにより、適切な行動(具現化)が起きるのだと考えています。
そこで、「求心的で男性的な意識(気づく)」と「遠心的で女性的な意識(気づいたものに反応する)」を統合し、二元性の世界を超えてワンネスの世界につながるために、Metamorphic Techniqueの存在価値があります。
Metamorphic Techniqueのセッションでは、誕生前の6つのステージに対応したからだの部位に対応する箇所をタッチすることにより、誕生前に形成されたパターンを壊し、変容させることを目的としています。
私たちは生来、あらゆることを変容し、創造するための<知性と生命力>を持っているため、このパターンに気づき手放すことで、人生が大きく変容し、新しい人生が創造されていくのです。
最後に、Metamorphic Techniqueで考える変容の3つの段階は以下の通りです。
① Notice the fact:事実(物質界に存在するあらゆる現象)に気づくこと
② Acknowledge the presence:自分が気づいていることを認識している。
③ Let it be:気づいた事実(あらゆる現象、感情、病気、困難など)を手放す。
セッションでプラクティショナーが事実に気づき、気づいていることを認識し、手放すことにより、意識が拡大します。
意識が拡大した中で、愛と光のワンネスの世界=宇宙と調和した場が生み出されます。
クライアントの方の意識がこの場に共鳴することにより、二元性にとらわれない創造や変容が展開されます。
ただし、事前にご理解いただきたいことは、Metamorphic Techniqueのセッションは、変容をお約束するものではございません。
セッションそのものが変容を起こすわけではなく、その力を持つのはあくまでもクライアントの方ご自身です。
セッション後、何も変わらなかったと感じられるかもしれませんし、人生が予期せぬ方向に進んでしまったと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あらゆる現象はご自身の<知性と生命力>がご自身の最高善のために引き起こす出来事なのです。
Metamorphic Techniqueのプラクティショナーとして乳がんに罹患し、手術を受けるまでの経緯を振り返ってみると、私自身が病気になったこと自体も、人生の変容のために起きた出来事だと感じています。
ご興味を持たれましたら、是非一度セッションを受けにいらしてください。