放射線治療で二元性を超える

先週から放射線治療を受けています。

 

私は長い間、どんなに医学的に重要だと聞いても、放射線治療だけは絶対に受けたくないと思っていました。

 

それはもう、説明のできない直感的なものかもしれません。

 

おそらく、同じような理由でこの治療を忌避する方が少なからずいらっしゃることと思います。

 

後になってそれでよかったと思う方もいれば、受けておけばよかったと思う方もいるでしょう。

 

これは一人一人によって違う問題で、答えは出ないのだと思います。

 

また放射線治療に限らず、副作用の大きい治療すべてに当てはまることかもしれません。

 

生きるためにそれを受けるか受けないか、難しい判断を迫られます。

 

年月が経てば、今標準治療だとされるものは過去のものとなり、もっと負担の少ない治療法が標準治療となることもあるでしょう。

 

けれども、病気になった人にとって今ある選択肢が全てなのです。

 

私は、放射線治療を受けなくて済むような方法を探しました。結果的には受けなくて済む方法もあることがわかりました。

 

けれどもそれが最善かと考えた時、また、これまでの日々を振り返り、今置かれた状況と、これから進みたい方向を考えた時、最終的に放射線治療を受けることに決めました。

 

今日は、私がどのような思いで放射線治療を受けているか、私のスピリチュアルな信念と合わせてお伝えしたいと思います。

 

放射線は目に見えないものです。治療といっても、治療台に横たわり、ほんの短い間一定の箇所に放射線をかけるだけで、その瞬間は何も感じません。

 

しかし、その短い間に放射線はからだの表面から裏へ通り過ぎます。これを人により多少の差はあるもののおよそ一か月間続けます。

 

からだに害を与えない範囲で一度にかけられる放射線量には限りがあるため、少しずつ治療を行うのです。

 

治療にかかる時間は短いものの、毎日通院するという非日常な生活が始まります。

 

体調に問題がなければ他の時間に仕事や家事をすることができますが、多くの場合疲労感が増していくということを、私は過去にこの治療を受けたセラピーの恩師から聞いていました。

 

私は自分の性格を考えた時、最後まで治療を続けられるか自信が持てませんでした。実際に途中でリタイヤする人もいらっしゃると聞きました。

 

けれども、私は最終的に迷いから抜け、これを受けると決めました。その理由は三つあります。

 

1) 私は放射線治療のことをそれほど嫌悪してきたわけですが、実はこの業界に勤めていたことがあります。

 

それはまったく自分の意志ではなかったものの、就職難の時代に異業種から転職しようと思っていた私にとって選べる選択肢はなく、紹介された仕事の面接を全力で受け、決まったところで全力で仕事をすることがキャリアを構築するための最善の方法でした。

 

そして運よく決まったところが放射線治療の世界でした。

 

その頃は、放射線治療について聞かされるキャッチフレーズをそのまま受け入れて仕事に取り組み、これを善とも悪とも考えていませんでした。

 

ただ、今になって思うことは、社会的には、この経験が現在のキャリアの土台になったと同時に、もはや手放したい私の古いアイデンティティだということ、精神的には、仕事に専念することで、その頃抱えていた感情的問題を消化せず奥深くにしまい込んだことが、乳がんという病気に少なからず影響を及ぼしたのではないかということです。

 

ですから、私にとって善とも悪ともいえるこの時期の経験に向き合うことは必然であるような気がしたのです。

 

2) 次の理由は、放射線治療が、正常細胞とがん細胞の放射線に対する感受性の差を利用した治療法、という考え方を知ったことです。

 

つまり、がん細胞は放射線をあてることで死滅するのに対し、正常細胞は修復する力を持っているということです。

 

放射線で正常細胞もダメージを受けるけれども程度の差はあれ回復できるのだと聞いて、これは「生きる」ということを問われる治療法なのだと思いました。

 

私はもっとからだにやさしい方法を探り、自分なりに良いと考える各種自然療法を受けてきましたが、これほどまでに自分の「生きる」意志を問われたことはありませんでした。

 

「生きる」というのは、ただ長く生きるだけではなく、健康であり続けるというだけでなく、肉体を持ってどう生きたいかという強い問いです。

 

今回の治療を受けることで、生きる「意志」の力、強いからだを創造する「思い」の力を総動員する機会が与えられているのだと考えました。

 

3) 最後の理由は、以前ブログで書いた、自分にとって放射線治療を受ける意義を意識を超えたレベルで理解し、実践しようと思ったからです。

 

デヴィッド・R・ホーキンズ博士著「パワーかフォースか」によると、人は自分が発するエネルギーフィールドに見合った現実を生きているということで、私はこれまでネガティブなエネルギーレベルにいたことを、キネシオロジーやフラワーエッセンスのセッションを受けて実感しました。

 

そこで、放射線を受けている間、ただ無になって自分が喜びのエネルギーを放射するイメージを実践する機会にすることにしました。

 

次に、今挙げた1)~3)について、感じるところを書いてみます。

 

1) については、放射線治療を受けた初日、実際に私が過去関わってきた機器の治療台に横たわった瞬間、これまで感じていたような恐怖心は感じず、長い間見知っていたかのような懐かしさや安心感に包まれました。

 

そして、過去出会った人たち、当時の経験が走馬灯のように思い出されて何とも言えない気持ちになりました。

 

けれどもそれはもう何十年も前のこと、現実ではない、古い自分が出会った世界であり、私はもう過去ではなく、現在と未来を向いていきたいと思いました。

 

2) については、自然療法の知識を持って、ダメージから回復するための様々な方法を実践しています。

 

これから強く生きたいと願う自分をイメージしながら、回復するために頑張っている自分を応援する気持ちでケアしています。

 

3) については、治療を受けるのに慣れてきた3回目になって初めて実践しました。

 

放射線をネガティブなものとして跳ね返すイメージをするのではなく、それだけ強いエネルギーを自分の中でポジティブなものに変換して発することができたら、私のエネルギーパターンはどれだけ変容するのだろうと、ポジティブな気持ちに満たされました。

 

「パワーかフォースか」によれば、ポジティブな世界では善悪の二元性を超えると説いています。

 

治療を嫌悪していた私にとって放射線治療は悪でしかなかったですが、善の面もあることを発見し、たとえ悪の面があったとしても、それも受け止め変容できるようなポジティブな意識を持ちたいと思いました。

 

自然療法を始めとするセラピーの世界に身を置いていると、たとえセラピーが西洋医学の代わりになるものではないと主張していても、根底では医療を否定し、代わりになるものを目指す考え方があることも多く、私も長い間同じような考え方をしてきました。

 

けれども、私がライフワークにしているMetamorphic Techniqueでは、病気を悪いものとしてとらえず、だからといって医療を否定するわけでもない、という、非常に大らかな考え方をします。

 

私は、あらゆることを否定せず、受けとめ、受け入れ、ただ認識し、宇宙やこの世に生きる自分の力を信じる、というあり方を放射線治療を通して実践していきます。

 

大きな治療を受けている方に心からの応援を込めて、また、何かを治そうとするわけではないMetamorphic Techniqueのシンプルなセッションを通して、この思いが伝わりましたら幸いです。