放射線治療で望む未来を創造する

放射線治療20回のうち12回が終了しました。

 

ブログでご紹介した通り、私は治療の時間をこれから創造したい喜びの世界をイメージするための時間として活用しています。

 

 

 

 

放射線治療で二元性を超える先週から放射線治療を受けています。私はどんなに医学的に重要だと聞いても、放射線治療だけは絶対に受けたくないと思っていました。それはもう、説明のできない直感的なものかもしれません。おそらく、同じような理由でこの治療を忌避する方が少なからずいらっしゃることと思います。後になってそれでよかったと思う方もいれば、受けておけばよかったと思う方もいるでしょう。これは一人…リンクwww.cosmicsoletokyo.com

 

 

毎回の治療にかかる約1分間は、余分な雑念の入らない、無になれる時間です。

 

これを20回続けたらどうなるのだろう、と前向きな気持ちで続けています。

 

イメージするにあたって、認知科学者の苫米地英人さんの著書2冊が参考になると感じましたので、内容のまとめと、イメージを続けての感想をご紹介します。

 

1冊目は2008年に出版された「残り97%の脳の使い方」(フォレスト出版)です。

 

タイトルの通り、現代人は脳の機能の3%くらいしか使っていなくて、神経の訓練をすれば使えるはずの機能が97%くらいあるということです。

 

著者の説く神経の訓練、すなわちメンタルトレーニングとは、望むものを想像すること、それも単なる空想ではなく、リアルなイメージ力を持って想像することです。

 

そうすれば、無意識の力で楽しみながらそれを創造することができるという、引き寄せの法則の具体的手法のように思われます。

 

まずは、前提となる概念を3つ記します。

 

1) 変性意識状態

 

引用すると、「変性意識とは、臨場感(=リアリティ)を感じている世界が、物理的な現実世界ではなく、仮想世界にあることを指します。」

 

変性意識状態とはトランス状態のことで、映画を見ている時、夢を見ている時など、現実ではない世界に没頭してリアリティを感じている時の状態です。

 

2) 内部表現

 

内部表現とは、「あなたが見ている世界そのもの」「あなたの脳と心が認識している、この世界のすべて」と書かれています。

 

目で見たものは、目から入った情報が脳の各箇所で変換されることによって認識されているので、同じものを見ていても目に見えるものは一人一人異なる内部表現の世界だということです。

 

3) ホメオスタシス

 

引用すると、「ホメオスタシスとは、恒常性維持機能のことをいいます。これは、生体をより長く生きながらえさせるために、生体の安定的な状態を維持しようとする傾向のことです。」

 

ホメオスタシスの狭義では、呼吸や心拍などからだの機能のことを指しますが、仮想世界など空間に対してもホメオスタシスが働くという考え方が重要なポイントです。

 

 

ここからは、著者が提案するメンタルトレーニングについてまとめます。

 

目にするものは、過去に得た知識との結び付けにより脳で認識されるため、私たちは認識できる世界の中でのみ生きています。

 

過去の知識とは、育ってきた環境で植え付けられてきた価値観がベースになっており、その価値観の範疇でしか、物事を認識できません。

 

脳で「見る」「見ない」の判断がなされ、自分が重要だと思っているもの、見る準備をしているものしか見えず、不要なものは排除されて見えないようになっています。

 

この、目の前にあっても見えなくなっている部分のことを「スコトーマ」=心理的盲点といいます。


スコトーマの存在によって、慣れ親しんだものしか見えていないのですが、この時私たちの脳と心は安全・安心を感じているのです。


普段身を置いている、慣れ親しんだ、安心できる世界を「コンフォートゾーン」といいます。

 

コンフォートゾーンは、これまで体験した感情や周りの人から言われたことに基づく自己イメージ、自己価値によって形成されています。

 

安心・安全を守る「ホメオスタシス」の機能により、コンフォートゾーンの外側の世界はスコトーマとなって見えなくなっているのです。

 

そこで、コンフォートゾーンを超えるために、メンタルトレーニングを行います。

 

まず、コンフォートゾーンの外にある、現状では達成できないゴールを設定します。

 

次に、そのゴールを実現している姿をリアルに思い浮かべます。

 

ここで、体験したことのないゴールをリアルに感じるために、「エフィカシー」=自分の能力に対する自己評価を変え、コンフォートゾーンを変える必要が出てきます。

 

過去に自分が成功した時の感情(達成感、喜び)を思い浮かべ、ゴールを実現した時のイメージをリアルに感じていくことで、今実現できていなくても、自分は実現できるとイメージします。

 

そうすると、スコトーマが外れて、コンフォートゾーンのレベルが上がっていきます。

 

すると、今度は新しいコンフォートゾーンに対してホメオスタシスが働くようになります。

 

ゴールを達成する方法やチャンスが見えてきて、現実が変わり、今まで自分が無理だと思っていた世界に到達するのです。

 

この時の状態は、著者曰く、努力なんていらず、無意識が勝手に夢を実現してくれて潜在能力が発揮できるようになっているそうです。

 

ゴールを達成する過程では、新しいコンフォートゾーンの中にいるため、楽しくて仕方ない、やりたいことだけをやっている、という感覚になるそうです。

 

この流れを創造するのが脳の潜在能力ということになります。

 

 

2冊目は「オーセンティック・コーチング~本物のコーチング」(株式会社サイゾー)で、1冊目の内容の解説のような感じでした。

 

苫米地氏はコーチングを日本に紹介した方だそうですが、現在広まっているコーチングが自身が伝えたいものと異なるものが多いため、コーチングの重要な点を説明した内容になっています。

 

その重要な点とは「ゴールは現状の外側に設定する」ということです。

 

現状を抜け出したいために多くの人はコーチングを受けるのですが、この時、現状の延長線上で努力等によって達成できるようなゴールを立ててしまうことが多いそうです。

 

そこで、現状の外側にゴールを立てること、具体的には、「今の自分では実現不可能なもの」「ゴールとして想定すらできないもの」を設定することが重要だと書かれています。

 

1冊目のキーワードとして紹介されていた、コンフォートゾーンを維持するための機能「ホメオスタシス」の原理を最大限に機能させるには、本人が想定できないようなゴールが必要だからです。

 

私たちのマインドには、これまでの経験や他人からの影響によって作り上げられたブリーフシステム=現在を作り、未来まで続くシステムがあり、現状を変えるためにこのシステムを変える必要があります。

 

脳には、情報処理を効果的に行うために「重要なものを活性化」する機能があるので、重要なもの=望むものをゴールとして意識に上げることで、達成するための方法を意識的に認識できるようにしていきます。

 

新しく定めたゴールが現状の外にあるかはどうやって知るのでしょうか。

 

著者によると、新しいコンフォートゾーンの感じ方から判断することができるそうです。

 

新しいゴールが現状の外にある場合、初めは怖くなったり不安になります。

 

この状態では今いるコンフォートゾーンに戻りたくなってしまうのですが、次第にそのゴールに見合ったコンフォートゾーンが見えてくると、これまでのコンフォートゾーンにいることが苦痛になってくるそうです。

 

苦痛ではなければそのゴールは現状の外にはない、とわかります。

 

新しいコンフォートゾーンが見えてきたら、よりリアルに詳細にイメージして臨場感を感じることでゴールが自然に近づいてくるそうです。

 

現状の外側にゴールを立てると不安や恐怖が起きるので、これを超えていくためにコーチングが役に立つと本には書かれていました。

 

コーチングについてはここでは省略しますが、現状の外側にゴールを立てることによって、人生がまるごと変わっていくことが可能になると締めくくられていました。

 

 

ここからは、これまで放射線治療中に望む未来のイメージをしてきた感想を述べます。

 

確かに、現状を変えたいと思って望む未来、ゴールを想像しようとしても、頭で想定しやすいものを考えがちで、現状ではありえないような未来を想像すること自体怖さがありました。

 

体験したことのない世界で実現したいことを想像しても、漠然としていて定めることが難しいと感じました。

 

そこで、まずは病院に向かうまでの道のりで頭を空に、ただ目に入るものを広く認識する状態で歩き、なるべく心を無の状態にしていきます。

 

イメージとしては過去のブログでご紹介した視点を持って、目に映るものをじっくり味わい感じていきます。

 

 

 

 

治療を待つ間は心静かに瞑想のような気持ちで過ごし、場合によっては望む状態を色でイメージしてみます。

 

そして治療中は、イメージが漠然としていても、その中で感じる喜びの感情を大事にするようにしてみました。

 

短い仮想現実の間ですが、先日ブログでご紹介した本「パワーか、フォースか」に書かれている、愛や喜びのエネルギーを目一杯感じとります。

 

すると、初めのうち頭で考えていたような未来よりももっとシンプルで感覚的な状態(喜びを感じる状態)が私が求めているものかもしれない、と思うようになり、そこから具体的なゴールが少しずつ見えてきたように感じます。

 

放射線治療のような特殊な空間にいるからこそ、治療台で過ごす時間を想像と創造の時間にしていくことで、治療そのものもポジティブに感じられるようになってきました。

 

これを日常生活で行うとなると、環境の制約があったり、雑念が湧きやすくなるため、頭を空にできるような散歩の時間や、呼吸を意識するヨガのような時間の中で行うとよさそうだと感じます。

 

最後に、今回ご紹介した苫米地氏のメンタルトレーニングの手法は、ブレインジムのセッションにも似ているところがあります。

 

ブレインジムのセッションでは、ゴールを決めてからエクササイズを行います。

 

中でもゴールを定めるプロセスと、そのゴールをイメージした時の居心地の悪さを感じるプロセスに時間をかけます。

 

その後にシンプルで心を落ち着かせるようなエクササイズを行うことで、定めたゴールに向かって脳とからだが統合されていきます。

 

そうすることで、ゴールの実現に伴う喜びの感覚を心とからだで先取りして体感することを目指しています。

 

ゴール=求めるものを定めることは、心が抵抗するので時に難しいものですが、今私が放射線治療中に行っているように、毎日静かな空間で少しずつ、まずは感覚的にイメージすることから始めると効果的であるように感じました。